〇「きょうだいの日」ってなあに?
近年、病気や障がいのある兄弟姉妹をもつ「きょうだい」への関心が高まってきました。「きょうだい」の抱える気持ちや悩みに寄り添い、のびのびと自分らしい生活ができるようにと支援活動や広報活動などさまざまな取り組みがなされています。
そのひとつともいえるのが、『きょうだいの日』。
『きょうだいの日』は、いろいろなきょうだいに思いを寄せる日、お互いの存在を称える日、頑張るきょうだいに周りの人の応援の気持ちが届く日となることを願って制定されたものです。
『きょうだいの日』は、病気のある子どものきょうだい支援をしている大阪の「NPO法人しぶたね」を中心に、きょうだいに心を寄せる日本中の多くの人の思いが集結され、日本では2019年に制定されました。
「NPO法人しぶたね」のホームページでは、本家のアメリカの「きょうだいの日」のことが次のように紹介されています。
「National Siblings Day」は、毎年4月10日に兄弟姉妹の関係を称えるためにアメリカ合衆国で広く開催されている祝日で、父の日、母の日の兄弟姉妹版の日です。幼い頃に亡くなった姉と兄の記憶を称えるために、アメリカのクラウディア・エヴァートさんが考案されたもので(4月10日はクラウディアさんのごきょうだいのお誕生日なのです)、全米50州の内49の州の州知事が公式にSiblingsDayを州として認める宣言を出しています。きょうだいで一緒に写真を撮ってインスタグラムに投稿したり、贈り物をし合ったりして、お互いの存在を称え合う一日となっています。
○どんなことをする日なの?
2020年に2回目を迎えた『きょうだいの日』。この日にあわせて、きょうだいを支援するさまざまな団体や人々が協力し、きょうだい支援の啓発が行われました。
「NPO法人しぶたね」では、2019年はコースター作戦(啓発コースター1万枚を配り、家庭やお店や会社で使ってもらう)。2020年はポスター作戦(きょうだいの日を紹介するポスターを全国100か所の郵便局や病院等で掲示)でした。
「きょうだいの日」にあわせて、きょうだい支援のことがメディアで取り上げられることも増えています。
そこには、このような願いがこめられているのです。
「きょうだいの日」が、「母の日」や「父の日」と並ぶ記念日としてすべての兄弟姉妹のための日として広がり、病気や障がいのある子どものきょうだいに応援が届く日になることをめざしています。
○「私たちの日なんだね!」
折しも2020年の4月頭の日本各地はコロナウィルスが感染拡大。東京では緊急事態宣言の秒読みに入っていました。
頑張り屋さんのきょうだいたちに、直接会ってきょうだいの日のことを伝えたいな、なにかできないかな、なんて思っていましたが、それは来年への宿題とならざるを得ない状況でした。
個人的に、仕事の関係で「きょうだいの日」のことを直接お伝えできたご家庭があったのですが、ご家族みなさん「そんな日があるんだ!」とびっくりしながらも嬉しそうな表情だったのがとても印象的でした。特にきょうだいたちの目が輝いて「ありがとう!」の言葉にはみかむような笑顔を見せてくれたことは、私の中にずっと存在している「幼いきょうだいの私」も一緒に喜んでいるように感じたものです。
きょうだいに何か伝えたい気持ちがあっても、実際に言葉にするのは難しいなあと感じることがあります。だけど、きょうだいの日には思いきり「ありがとう!」と伝えられます。この日はすごい可能性を秘めている・・・!そんなことを実感した2020年のきょうだいの日でした。