9月11日(金)セシオン杉並にて「特定非営利活動法人みかんぐみ」さんによる映画の上映会とフリートークのイベントが実施されました。
映画のタイトルは『普通に死ぬ~いのちの自立~』
静岡県富士市で、親御さんが中心となって重症心身障がいのある方の施設を立ち上げたドキュメンタリー『普通に生きる』(2012年)の続編です。
貞末監督、地域の支援者の方、障がいのあるお子さんの親御さんとともに、代表が登壇させていただきましたご報告です。
今までケアを担ってきた親御さんが年齢を重ね、ケアができない状況になったら?その人らしく地域で生きることを模索してきた先にあったのは、とても厳しい現実でした。
そういえば、私も考えた時期がありました。私の妹は、医療的ケアはありませんでしたが、健康や精神状態に不安を抱える身でした。
実家以外にこの妹が生活できる場所はあるのだろうか?
親亡きあとは、私が親代わりになるのだろうけれど、妹はどういう死を迎えるのだろう?
私は、妹を見送るまでは死ぬわけにいかないな。
そんなことを20代から考えていたと、この文章を書きながら思い出しています。
上映直後は、長年重症心身障がいのあるお子さんに関わってきた身としても、きょうだいとしても気持ちの整理がつかなくて、スクリーンの現実を受けとめるので精一杯でした。
ただ映画のチラシにあった「生き合う」という言葉、それに私は光を感じていました。支える-支えられるだけの関係でなく、一緒に生き合う。その関係性は、私自身もいろいろな立場の支援者として関わらせてきた中で、漠然と感じていたことでした。(ですので、本当は支援者という表現もしっくりこないのです・・・)
以下は、すでにFacebookで載せた感想なのですが、再掲します。
「どうして親御さんはこんなにも走り続けなければならないのでしょう?」 フリートークでそのような声を聞いた時に、「ああ、だから私たちは親御さんもご本人も含めて〈家族〉を応援したいと思ったんだった・・・」と設立の時の思いが改めてこみあげてきました。
きょうだいの苦しさや葛藤は、社会のあり方と深くつながっています。
障害のある人がその人なりの自立をして健やかに暮らせ、親が安心して子育てを卒業し自分の人生を生きられる社会は、きょうだいも自分らしく生きられる社会です。
この社会を変えると思うとひるんでしまいますが、きょうだい支援を考えても、この20年くらいでかなり様相が変わってきています。特にここ数年の流れの変化は大きいものがあります。
今の小さなアクションやつながりが未来への道になると信じて、目の前のできることから積み重ねていきたいと思います。
有馬
「みかんぐみ」さんの親御さんが書かれた記事もぜひご覧ください。 https://mikangumi.com/2020/09/14/1605/
『普通に死ぬ』公式HPはこちらです。全国で順次劇場公開されます。 http://www.motherbird.net/~ikiru2/