Part2 自分の怒りを受け入れよう (12月12日)
今回はいわば実践編。怒りとはそもそもどんなものかを知り、対応する方法を学びました。
①怒りとは?
怒りとは自然な感情であり、誰もが感じる自分を守るための気持ちの一つです。
前向きな原動力になることもある、力のある感情です。
一方で、怒っている理由がすんなりわかる時と、わかりにくい時がある複雑な感情でもあります。
怒りを受け入れるためには、時間のある時に「怒りの中身」を見ることが必要です。
★怒りの中身★
怒りは二次的な感情であり、その中身には次のようなことが考えられます。
悲しみ・寂しさ・恐怖・不安・恥ずかしさ・焦り・落胆・不平等感・自尊心を傷つけられた・・・
怒りの中身に気づくことができれば、中身のためにどうすればいいのか選べます。
爆発的な怒りを繰り返す場合、過去から積もっている怒りがあることも考えられます。
②怒っている時にできること
1.身体へのアプローチ
・まずは深呼吸をしてみましょう。お腹を動かし、呼吸に意識をむけます。
・怒りの原因になるものから距離をとりましょう。
・軽い運動をすると気持ちが落ち着きやすくなります。足踏みでもよいです。
・怒りを感じたら、数を数えてみる方法もあります。
★怒っている時に深呼吸ができるようになるために★
・日頃から練習をしておくことが大切です。
・普段の生活の中で呼吸を意識してみましょう。呼吸を意識する習慣がつくと、怒りを感じた時に深呼吸しやすくなります。
・動揺していると、息が入りにくかったりゆっくり吐けないことも。そういう時は「息がゆっくりできないくらい今しんどいんだな」と自分をいたわり、焦らず無理のない呼吸を続けましょう。
2.心へのアプローチ
・怒りに対する自分の反応(その時とった行動)を振り返ってみましょう。
どんな気持ちがありますか?自分を過度に罰するためや、相手に罪悪感を持たせるために行動していませんか?
・客観的になりましょう。
白黒思考になったり、不確かなことをどんどん関連付けて考えたり、決めつけたりしていませんか?
・怒りの原因を考えてみましょう。(対人関係、家族の問題、経済的な問題、職場の問題等)
★怒りやすい状況★
誰かの言動に怒りを感じたとしても、ひょっとしたら状況が違ったらそこまで怒りを感じなかったかもしれません。
渋滞、遅延、事故、急な予定変更、時間に追われている・・・などの状況は、イライラしがちになります。
また、その人の言動が刺激になり過去の嫌なことを思いだして怒ってしまうこともあります。
過去からの怒りが蓄積している場合も、ちょっとの刺激で大きな怒りにつながることもあります。
・マインドフルネスをしてみよう
★マインドフルネスって?★
気持ちを評価したり排除せず、「そこにあること」を認めます。
イメージの世界で怒りに話しかけるのも有効です。怒りを赤ちゃんや小さい動物などのイメージに重ねて「そこにいていいんだよ」と心の中で穏やかに関わります。
・怒りは自分を守り、「なんか変だよ」と教えてくれるシグナルです。
・怒りを自分の中から取り除くことはできません。
・怒りの声に耳を傾け、「怒っている奥にある声」に耳を傾けてみましょう。
3.行動につなげる時に
・行動する前に、よく考えましょう。
・怒っていることを相手に伝えるときは、怒りが収まってからにしましょう。
・状況を改善する方法を考えましょう。
・ひとりでは難しい場合は人にサポートを頼んでみましょう。
・「許す」のは相手のためではなく、自分のためです。「されたこと」を「なかったこと」にするのではありません。手放すために許します。
最後に、前田先生から頑張っている親御さんへのメッセージです
障がいや病気の子どもをもつ親御さんへ~落ち込んだ時に思いだしてほしいこと~
・ひとりじゃないと思いましょう。そしてサポートネットを作りましょう。
・自分のための時間を大事にしましょう。
・親自身もケアが必要。デリバリーを活用したり外出したりしましょう。
・心が苦しくなった時「それでも、私は最善をつくしている」と思いましょう。
・状況が分からない人に振り回されるのはやめましょう。
・比べるのをやめましょう。
・自分の勘を信じましょう。
●ご質問に答えてー子どもの自己肯定感を育てるには?
・子どもの自己肯定感を育てるには、自分で選ぶ経験をさせることが必要。たとえ失敗しても自分で選んだから、次はどうしようかと考えます。成功したら、自分の成果であり、成功体験となります。
・親は過干渉にならず(危ないことは注意する)、 親の不安を押し付けないようにしましょう。