*きょうだい児の気持ち*
きょうだいの気持ちはいろいろです。
全員が同じ思いをもつとは限りませんし、その時々によって気持ちも変わります。
また、どんなことに困難と感じるかも、成長とともに変化していきます。
大切なのは「今、目の前にいるこの子」に向き合い、その子自身のことを知ろうとする姿勢だと思います。
こんな風に感じていることも・・・
「学校の友達にお兄ちゃんのことをからかわれたらどうしよう」
「どうせ僕のことなんか後回しなんでしょ」
「いつお姉ちゃんが騒ぐかわからないから、お出かけはドキドキしちゃう」
「妹に優しくしてあげられない僕ってダメだよね」
「大きくなったら、私が弟と一緒に住んでお世話するんだよね」
「もっとお母さんを助けて役に立たないと」
人がいろいろな気持ちをもつのは自然なことです。
ただ、それを誰にも言えないことが続いたり、伝えた時に「そう感じてはいけない」と否定されたり、「こうでなければいけない」と強く思いすぎたりすると、心に負担がかかってしまいます。
*大人になったきょうだいの言葉から*
・人生の選択の場面で
「進路や結婚のことで迷っていたけれど、相談相手がいなかった」
「将来、兄弟姉妹の生活を支えるのは誰?私?」
「自分の希望と社会や家族からの期待の間で葛藤してしまう」
・大人になってはじめてきょうだい仲間に出会って
「家族のことを安心して話せたのは初めて」
「胸の内に秘めていたことがたくさんあった」
「子どもの頃、困っていることに誰かに気づいてほしかった」
子どもの頃、どんな形の応援がほしかったのかは人によっても違いますが、
「安心感を感じられる」「否定や決めつけをされずに話を聴いてもらえる」「必要な情報が手に入る」などがあげられます。
その子に心を寄せて見守ること。
その子らしさを尊重すること。
何か特別なことをするのではなく、ちょっとしたふれあい・やりとりが
じんわり響いていくことも多いのではないでしょうか。
*親の気持ち*
誰しも子育ては手探りの部分があると思いますが、障がいのある子どもの子育てでは、親が担う役割や生活での制約などが格段に増えるのではないでしょうか。
精一杯の子育ての中で、親もきょうだいに対していろいろな願いや戸惑い、悩みをもつこともあります。
例えば
「もっといろいろしてあげたいのに、どうしても障がいの子の方に時間がかかってしまう」
「いい子にしているけれど、どんなことを感じているのか心配な時がある」
「将来は『自分がやりたい道に進んでほしい』と伝えているけれど、本人が兄弟姉妹に対して何か責任感をもっているようだ」
「きょうだいのことを相談したくても、誰に相談すればいいのかわからない」
「きょうだいについての情報が手に入らない」
きょうだいにもいろいろな思いがあるように、親にもいろいろな思いがあります。
大切なのは、その思いをひとりでかかえて悩まないことや、気になったことをそのままにしないことだと考えています。
きょうだいについて、子育て全般について、将来について、自分の生き方について。
そのような話題を安心して話せる場や、ヒントになるような情報を提供していきたいと思っています。