英国心理士(BACP・英国カウンセリングサイコセラピー協会認定カウンセラー)前田節子さんによる子育て支援コラム第5号です。
このコラムは、もともとは就学前のお子さんの親御さん向けに書かれたものです。
もう年齢が上なお子さんや、障がいのあるお子さんの親御さんとも共有できる大切なことが温かいまなざしで書かれているので、ご許可のもと連載させていただいています。
今回のテーマは子どもを「怒ること」と「叱ること」の違いについて。日常の中には、子どもの行動を止めたり、違う行動を取るように促す場面があります。その時に叱っている?怒っている?
子どものその行動を見たときに、「ドキッ」としたか、「ムカッ」としたかを切り口に考えてみるのが前田さん流です。
「怒る」と「叱る」を使い分けているママやパパは、ほとんどいません。
また、5歳ぐらいの子どもたちに「何が一番イヤ?」とたずねると、ほとんどの子が「ママに怒られること」と言います。
「怒る」と「叱る」を簡単に分けると、「叱る」は子どもの安全や生きて行く上で必要なルールを守らなかった時で、「怒る」は親が自分の怒りを表現することなのだと思います。
例えば、外出前の準備をしている時に、「どうして早くできないの!」と言ってしまうのは、「遅れてしまう」とか「時間がない」など親の都合に関連した事であり、自分の怒りの八つ当たりであることが多い気がします。
特に、子どもが小さい時期は、危ないことをしない限り叱る必要はないため、おチビさんを怒ると自己嫌悪になってしまうママが多いのだと思います。
怒りという感情は、とても大事な気持ちです。ただ、自分の怒りを子どものコントロールのために使うのは、疲れるだけなのでやめた方が良いですよね。
「ムカッ」と来たら、たぶんそれはママの気持ち。
「ドキッ」ときたら、それは危ない事をした時なので、しっかり「叱って」下さいね。
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