「お父さんお母さんのためのセルフケアとコミュニケーション」報告②

投稿者: | 2023年5月9日

セルフケアについて、前田先生がお話されたことの報告です。

■親や支援者のセルフケアの必要性
*障がいや病気のある子どもの子育ては、通常の子育ての何倍も負担が大きい。
*不安がつのる→不満やイライラもつのる→疲れる、無限のループ。
*支援者は「やりがい」という魔法がかかって頑張れる一方、問題を直接解決できる立場ではないからこそ、「気持ちが疲れる」という相反するものが共存する。

親・きょうだい児・支援者の心理については、報告①にもあります

■自分を大切にするために:基本的な姿勢
*不安やストレス・疲労がある、と自分でまず受け止める。
*「なんでもできる人はいない」「常に、は無理」と肝に銘じる。
*「NO」「無理です」と言う勇気をもつ。
*無理すればできるとしても、無理をしてもいいことはない!
*「できない」と「したくない」を区別しよう。「したくてもできない」もある。

■セルフケアとは
*セルフケアとは自分と向き合うこと。自分を大事にすること。
*ストレス解消はセルフケアができていないと続かないし、効果がない。
*自分とは、体・頭・心の3つでひとつ。自分の体・心と頭のコミュニケーションが重要。
*セルフケアは
できることをできる範囲で。隙間時間に、優先順位をつけて。
*優先順位が1~10まであったら、半分できたら充分!
*自分に合ったセルフケアを。簡単で毎日できるもので、飽きたら時々入れ替えをする。
*ふだん何気なくしていることは、自分にとって気持ちのいいこと。意識してやってみる。

■いろいろなセルフケアのヒント
1.体のセルフケア(体の声が聴けていますか?)
 *睡眠は頭も休めるもの。不足するとうつ状態になりやすい。
 *食事は気持ちに影響を与える。昼食だけはきちんととる、など自分のためを意識して食べることに集中する。
 *食事が難しいときは、好きな飲み物でもOK。アルコール以外で!
 *散歩をすると血の循環がよくなり、すると頭や心の循環もよくなる。

2.人と社会につながるためのセルフケア(つながりを感じ、孤立しない)
 *家族とスキンシップをとる。思い切り子どもと遊ぶ。
 *友人と対面で会う。人と会うのは「思いやり」を使うチャンス!
 (人に思いやりを寄せることが、自分への思いやりにつながる)
 *「〇〇だから会えない」と都合ばかり優先していると、自分への信頼が減る。

3.メンタルのセルフケア(脳は忙しすぎるのもつまらないのも苦手)
 *わくわくする刺激を! 好きなものに集中するのもよい。
 *他人軸でなく自分軸で考える。他人軸は人に振り回される。
 *結果重視でなくプロセス重視。行き詰まって選択できないのは、脳が疲れている。

4.スピリチュアル(精神性)のセルフケア(自分を信じる気持ちを失わないために)
 *自分の人生や体験を自問自答する。
 *心が落ち着くようなことを定期的に行う。深呼吸、楽器や歌、メディテーションなど。

5.気持ちのセルフケア(いちばんエネルギーがある部分なので他にも影響する)
 *不快な気持ち(怒り、不安、悲しみなど)に対処する方法を知って、実践する。
 *気持ちを立て直す方法を知る。ご褒美や休憩など。
 *好きな香りや音楽、ゆっくりお風呂に入るのもよい。
 *右脳(感覚)と左脳(知覚)はつながっていると知る。

■コミュニケーションの「お約束」
 ①感覚には感覚で、知覚には知覚で返すこと。
 ②知覚は行動とつなげること。
 ③感覚はすぐ行動につなげないこと。

*感覚とは「好き/嫌い」どうにもならないこと、目に見えないこと。感情・五感など。
*知覚とは「いい/悪い」どうにかできること。知識・情報・分析など。
*感覚を知覚で返されると「気持ちを受け取ってもらえない」から寂しい。
 例 A「〇〇ということがあってね…(がっかりしたんだ、頭きたんだ)」
   B「次回はこうしたらいいんじゃない?」
    A「(そうなんだけど…解決策をほしかったんじゃなくて…)」
*感覚を知覚につなげるのは危険。例「ママのこと好き?」「好き!」「じゃあおりこうさんにしてね」→条件付きの愛になる。
*感覚は、いったん確認して(こういう気持ちだね)冷静に判断してから(知覚)から行動へ。
*知覚の相談にはアドバイスを、感覚の相談は話を聴いて気持ちを整理するお手伝いを。
*感覚を育むのは家庭。
*固定観念というゴミが詰まるとコミュニケーションがとれない。「本当にそうなの?」好き/嫌いでチェックして、時々ゴミ掃除を。

■セルフケアの効果
 *病気に対する免疫が高まる。
 *不安やうつ症状を軽減。
 *ストレスを軽減し、立ち直る力をくれる。
 *幸福を感じやすくなる、元気になる。
 *燃え尽き症候群を軽減する。
 *より円滑な人間関係を築くことができる。

■自分を支える言葉を考えよう!(毎日違ってもいい。自分に話しかける)
参加者から「頑張っているね」「私は最強」「スマイル」「よくやってるよ」など多様な言葉が上がりました。みなさまも考えてみてくださいね。

■参加者アンケートより
「セルフケアが大切とは思っていてもつい自己犠牲してしまう。少しでもやっていきたい。日本中の人に知ってほしい」
「具体例がわかりやすくて、すぐ取り入れられそう」
「とても温かい気持ちになるヒーリングのような時間でした」
「自分を大事にする、自分の感情を否定しない、と知っていても、いやなことをやらなくてはいけない状況。でも、いやな気持ちはいやなままでOK、いやなことをやっている自分はえらい!と思えました」
「発想の転換で全然違う毎日を送れそう」
「知と感のコミュニケーションのポイントが、自分をそして、相手を大切にするうえで重要なのだなと感じました」


前田先生によるオンライン学習会は、思春期のきょうだい、アンガーマネジメントに続いて3回目となりました。これからもシリーズとして続け、貴重なお話はアーカイブとしたいと考えているところです。
今後もどうぞご期待ください!

★2020年 思春期のきょうだいのレポートはこちら
★2021年 アンガーマネジメントのレポートはこちら