「きょうだいさんの広場」は小さな自立の場

投稿者: | 2022年5月7日

 2022年3月に行ったオンライン「きょうだいさんの広場」をふりかえって、その小さな集まりの意味を考えてみました。

 初めての体験は、大人にとっても子どもにとってもドキドキです。
時間になって続々と集まってくれた子どもたち。画面の向こうで少し緊張した面持ちの子、画面をのぞきこんで自分が映っているのを楽しんでいる子。それぞれの表情の子どもたちですが、「ここはわたしの場所」と決めているかのような、そんな覚悟のようなものを感じました。

 オンラインはどこからでもアクセスできる利点がある一方で、場の雰囲気が共有しづらいという体験はリモートに慣れている大人にはうなずけますよね。
 そこを楽しい場にして、画面の向こうとつながれた感覚をもてるかどうか。さすがのきょうだいのヒーロー「シブレッド」です。明るい声と楽しい活動で徐々に和んでいく子どもたち。
 自分の宝物を持ってくる「もってきてゲーム」では、それぞれ大切にしている物を見せてくれました。おうちの人に買ってもらった物だったり、きょうだいで遊んでいるものだったり、自分の一番関心のある物だったり。そこには一人一人の世界が垣間見えました。それを、初めて会う仲間や大人に見せてくれたことを嬉しく思うとともに、これからもその世界を大事にしてほしいなと思いました。

 画面に映らない所でおうちの方々が通信のサポートをし、見守りをしてくださいました。陰の応援者になって、きょうだい本人の場として子どもを尊重してくださったことで子どもたちの達成感は大きくなりました。
 病気や障がいのある方がいる家庭は、行動や時間の制約を受けることが多くなります。どうしてもきょうだい児に影響が及ぶことになり、時には「どうしてうちは…」「なんでいつも…」と、思いを実現できないもどかしさを感じることもあるでしょう。そうしたきょうだい児にとって、自分が主役の場所をもつこと、自分で新しいことにチャレンジする機会をもつことは大きな意味をもちます。

 「きょうだいさんの広場」は小さな広場です。のぞいてみたら楽しいことがあった。友達とちょっと遊べた、味方になってくれるヒーローや大人がいた。そんな小さな発見や喜びを子どもたちが感じてくれたら嬉しいです。そして、そうした積み重ねをしていくことで、彼らの世界が少し広がり、小さな自立の場となってくれたらと願っています。

 にじいろもびーるは、7月に対面のきょうだいさんの広場を開催します。
今回は特別にシブレッドが大阪からかけつけてくれて、楽しい親子あそびをたくさん教えてくれます。
広い空間で身体を動かしたり工作したりして、親子でぎゅっと仲良しの時間を過ごしてもらえたら嬉しいです。